趣き深い秋
Posted by 尾谷 in もろもろ
すっと、胸の奥に沁みる冷たい空気
さっと、爽快に吹く秋の風
ふっと、金木犀の甘く切ない香り
そう、この花の匂いと共にやってくるのが秋です。
つい先日まで夏だと思ってたのが、いつの間にか澄み渡る空気が心地よく感じられる晩秋となりました。
駆け足で移り変わる季節の早さに、改めて驚いてしまう時節です。
吉田兼好の随筆「徒然草」に「もののあはれは秋こそまされ」とあるように、物事の趣きの深さは秋こそ優れているとされています。
国語辞典によると「趣(おもむき)」とは、
1. 味わい。面白み。
2. 自然にそう感じられる有様。感じ。
とあります。
住宅を作る際、職人さんが少しの手間を加える事で、使い易く味わい深く愛着の沸くモノになります。
暮らしでも同じです。
庭先にコスモスを植えたり、
七輪で秋刀魚や時には勇気を出してクサヤを焼いたり、
完熟した柿を冷凍し夏のお楽しみを仕込んだり、
暑くもなく寒くもないこの季節に大掃除をしたりと。。。
特別な事はしなくて良いのです。
少し手間を加える事で、暮らしが趣き深いものとなります。
慌しい冬を迎える前に、しっとりと落ち着いて心惹かれるこの秋を、自分好みで愉しんで下さいませ。
08 10月 2020
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