ものづくり 畳編
畳と聞くと。。。
小学生の頃、新しい靴をかって貰い嬉しくって、「このゴツゴツしたスパイクかっこいい!すごい止まるよ!ありがとーお父さん!!」って父親の前で急停止の練習をしてたら畳が傷つき怒られた淡い思い出がありますが、皆さんも畳での想いでは一つや二つあるのではないでしょうか?
では、「ものづくり 畳編」をお届けする前に、ちょっと知恵袋的な事をお伝えしますね。
◇畳が普及した江戸時代中期頃
・庶民は、丈夫で粗い琉球表を使った縁無し畳(別名:野郎畳)
・貴族などの富裕層は、上品なイグサを使い縁付き畳(ちなみに身分によって使える縁が決められていたようです)
◇現在
現在は、縁付よりも縁無しの方が作業工程に手間が掛かるので高価です。
◇琉球畳
一般的に琉球畳と呼ばれてる畳表は七島イを使用しています。
七草イは元々、琉球(沖縄)地方で栽培されていましたが、江戸初期に薩南を経て大分県に伝来されました。
縁無し畳を琉球畳というのではなく、丈夫で目の粗い井草を使用してるのが「琉球畳」というんですよ。
では、知恵袋的な事をこれ以上書くと知恵熱が出てしまうので、「ものづくり 畳編」の模様をお届けしマース!
■柄の畳縁:ナイロン製
■無地の畳縁:綿製
■神社仏閣に使う畳縁:綿製・テカテカ光るナイロン製は使いません
高麗縁などの紋縁
■イグサ:熊本産
生産者が分かるように認定書が付いてるだけでなく。。。
■産地偽装防止の為、生産者の情報が分かるように、QRコードなるものがイグサに織り込まれているんです。
■素材の次は、畳の製作の模様でも~。
淡々と作業してる畳屋さんに、「必殺仕事人の武器って、畳屋さんの道具をヒントにしたんですかねー」てな訳のわからん質問をしてましたが、さすがプロです!完全無視でしたー!!
畳床の短辺に表(イグサ)を縫い付けて。。。
■お次は畳の長辺に縁をセットして。。。
■床を裁断しながら縁を縫い付けたら。。。
■縁をひっくり返して。。。
■伸ばして。。。
■台を傾け。。。
■側面から、畳床と縁と表を縫い付けていきます。
■お次は、琉球畳の製作模様でも~。
このイグサは、中国で栽培され大分県で織られた物です。
100%国内生産の物はなかなか入手困難になっているのが実情です。
■これが、琉球の表「七島イ」です。目が粗くイグサが太いんですけど分かりませんね。。。
■縁が無いとスッキリですが。。。
■通常縁で隠れてしまう場所ですが、縁無しの場合イグサを丁寧に馴染ませ折れないように巻き込む必要があるので、確固たる自信と技術が必要です。
※素材を吟味し、技術と感性で製作された畳の上で、「このゴツゴツしたスパイクかっこいい!すごい止まるよ!ありがとーお父さん!!」だなんて言ってた自分を殴りたいです!!
皆さんも、今回紹介した畳だけでなく、障子や左官などの流行に左右されない質感と風合いの素材を住まいに取り入れてみてはいかがでしょうか?