ものづくり 茶室編
Posted by 尾谷 in 建築
たまには建築の話しでも。
お盆休み前に完了した、茶室+水屋の紹介。
この茶室は、新規に建てるのではなく、既存の和室に水屋を併設した茶室の空間を設える工事です。
ちなみに、茶室というのは凝り出すとキリがなく、気が付くと茶室だけで家1軒建つほどのお金がかかってしまうので注意が必要!
■既存和室
■無垢材の加工①
右側:框(杉タイコ)を加工
左側:地板(吉野杉)を加工
■無垢材の加工②
今までの経験上、少々ひねくれてる無垢の版に、いくら優しい言葉で諭しても、決して素直にはなりません。
カンナの出番です。
■框と床柱の取り合い。
綺麗に納まってるでしょ。
■框と地板
框と地板の色味、板目が違和感無く一体になるよう、框の白太(シラタ)から地板の白太と色味を合わせます。
ちなみに、無駄な線(部材)を極力排除する為、地板には障子用の溝が彫ってあります。
■全景
床の間と水屋を区切る柱は赤松(皮付き)60Φ
炉の上にある釘はヒル釘
床の間の壁にある釘は無双釘(床から119㎝)
床柱にある釘は花釘(床から123㎝)
水屋にあるのは竹釘(晒し竹のスノコから44㎝)
■おまけ(床の間天井部分)
柱の角にある釘は柳釘(落とし掛けから3㎝上)
廻り縁にある釘は掛け軸用の三福対(サンプクツイ)
※このような現場では、図面よりも、施主との信頼関係と揺るぎない自分の感覚そしてものづくりに携わる皆のチームワークが大切です。
設計者の私が言うのも何ですが、図面が無くても皆の思いが1つであれば、良い建築は出来ると思います。
18 8月 2010
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