コーナーに注意
着々と進行している「野田の家」では、外装工事が第四コーナーを迎え、いよいよ仕上げの段階に突入しました。
外装工事では、仕上がった外壁の「テクスチャー」に目を奪われてしまいますが、本当は隠れてしまう部分の「ディテール」のほうが重要だったりします。
小さなディテールの積み重ねがその建物の「質」を左右します。
そこで、今回のブログでは少々マニアックではありますが、外壁の足下にある「水切り」のご紹介です。
外装工事は、以前ブログに微妙な笑顔で登場した、春日部市にある「ハリヤ」という会社が担当しています。
当社の担当でもあるハリヤの涌井氏は、たまに的をはずれた事を言いますが、図面を読み取る能力が高く、打合せをしながらたくさんの提案やアイデアを出してくれる、私の外装工事の先生でもあります。
「野田の家」は一般的な外壁通気構法で、ジョリパットで仕上げます。
メーカーの標準施工方法では、外壁下地材と防水面(防水シート)との間には15㎜以上の通気層を設けるよう書かれていることもあり、当社は20㎜の通気層を設けています。
たまに建築中の建物を見ると、通気層を13㎜の下地材を使用している現場があります。
最低限の標準施工方法は守ったほうが良いと思うんですがね~。
■防虫網の設置
等間隔に打ち付けた下地材の上に防虫網を留めます。
防虫網は「Joto」製のガルバリウム鋼板の折り曲げ加工品です。
■水切りの設置
水切りの役目は、外壁を伝って落ちてくる雨で根回り(基礎)を汚さない事や基礎との仕上げの縁切りという役目があると思います。
「野田の家」での水切りは、よくありがちな武骨な形状ではなく、単純に板金を折り曲げただけ。
外壁が仕上げた際、見える水切りは1㎜程度のエッジの効いたラインのみ。
■コーナーに注意
現場にて、外装業者さんと現場打合せをし、仮設トイレに入ろうとした瞬間、私のズボンに何かが引っかかりました。
ん・・・!?裾を見てみると、エッジの効いた水切りの先端にズボンが引っかかっているではありませんか!?
そこで、外装業者さんに「このままでは、竣工して引き渡した際、施主から傷害罪で訴えられちゃうじゃない!だれがこんな水切りの設計をしたんだ!」と言ったら、外装業者さんだけではなく、大工さんまでもが笑いながら私に指を向けているではありませんか...
「人に指を指してはいけません...」と小さな声で言い、すぐさま外装業者さんと打合せ。
対策としては以下の4つが出ましたが、迷わず①に決定。ふざけてはいけません!
①金属製の外壁材に使うコーナー役物の転用
②出隅部分を折る
③段ボールでカバーを毎週作って届ける
④マジックでごめんなさいと書いておく
■丸くなる
外壁の部材を転用しました。
ぴったりです。
現場では様々な事が起きますが、うろたえずいかに早く答えを見つけ出すかがポイントです。
それと、神妙な顔ではなく、皆で笑い飛ばすくらいの勢いだと、現場が明るくなり良いと思います。
ハリヤの涌井さんありがとう。
今度お礼に自動販売機の甘酒とおしるこをおごるね!