委ねられる居場所
Posted by 尾谷 in 建築
少年時代、友達と汗を掻き泥んこになりながら、大きなイチョウの木があるお寺の境内でよく遊んでいました。
夕立が降って来たときには、たっぷり軒の出た本堂の大きな屋根の下で友達とたわいもない話をしながら雨宿りをしていたのが私の夏の思い出です。
住宅の設計で大切にしたいと思ってる事があります。
雨が降る、風が吹く、陽が差す、地震がくる、といった人のコントロールの効かない自然界の仕組みを受け入れ、あるときは委ね、そしてあるときは利用しながら、日本の風景の中にある屋根を眺めるだけで安心感が得られるような、いつの時代でも変わらない「委ねられる居場所」を設計したいと考えています。
遥か昔より日本の風土の中で「均整のとれた美しい屋根」がある建物は歴史が証明しているとおり自然に「よい」とされています。
これからも、気候に対して、風景に対して、経済に対しても合理的な屋根と居場所を設計し住まう人の記憶に残ればと思います。
まもなく、東京都と越谷市で新たなお宅の設計に取り掛かります。
建物に囲われている東京都のお宅では、プライバシーと視線の抜けを意識し今までとは全く違うアプローチで設計をします。
越谷のお宅は、敷地を見た瞬間から屋根と空間は頭に浮かび、小さな建物だからこそ純度の高い設計をします。
2001年に建築士事務所を構えましたが、設計という仕事は毎回新しい発見があり楽しくてしかたありません。
今後も宜しくお願いいたします。
■私の家 (設計:2001年 竣工:2003年)
■春日部の家Ⅱ
■野田の家Ⅰ
■さいたまの家
■野田の家Ⅱ
■松伏の蔵
31 1月 2020
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