幸手の家 土地を読み解く
設計者は、施主の信頼と大切なお金を預かり、
1円たりとも無駄にすることは許されないという重い責任がありますが、
緊張し過ぎたり萎縮してしまって眉間にシワを寄せていては、いい仕事は出来ないと思います。
設計そして現場でのモノづくりは鼻歌交じりで楽しみながらやるくらいがちょうど良いんです。
たまに「この納まりで大丈夫か?」と不安になる事があります。
しかし設計者が不安のまま事を進めるのは、施主にも職人さんにも失礼なので、
何回も図面を描いたり、時には原寸の模型で検討し「よしいける!みんな俺について来ーい!」
っと不安を自信に変えると迷い無く現場は進み、自分が思っていた以上に質の高いものになっていきます。
机の上で情報をかき集め人の真似事をするよりも、
自分で考え、もがき苦しみ、時には失敗する事もありますが、
それは遥かに意味のあることで自分の糧となり自信へとなり、
お金には変えられない私にとっての大切な財産となっています。
たかが線。されど線。
その線1本あることで、費用が10万円とか場合によっては100万円変わる事があります。
要はお金の重みを感じ、自分の仕事に責任を負えるかという事です。
理解ある施主と多くの職人さんの知恵と技術に感謝しつつ、
これからも楽しみながら質を高めながら仕事をしていきたいと思います。
■幸手の家
◇2月
住まいの相談を受け。。。
◇4月
敷地調査報告と許認可の流れの説明をし、
田植え前の稲の生長を眺めていました。
◇6月
依頼していた測量事務所から測量図を受け取り。。。
◇7月
開発許可の事前審査をしている土地利用図を眺めていたら、
方位が違うような気がしたので測量事務所に伝えたら。。。
◇「方位が違っちゃいました」というメモと一緒に修正された図面が届けられました。
ついでに、「建物の図面待ちだからー」てなメモもありました。。。
◇7月25日
複数の物件を同時に考えられる器用さはないので、
ようやく他の物件の目処がたったので「幸手の家」の計画に着手です。
いつの間にか稲に実が出来ていたり。。。
◇田んぼにはスズメから稲の実を守る鯉のぼりが泳いでいました。
◇「幸手の家」は、
約400坪ある敷地に、若いご夫婦の住まいを別棟で建てる計画です。
母屋、納屋、倉庫との距離感を大切にしつつ、
のどかな周辺に違和感の無い住まいを思い描きます。
周辺の道路を歩き視線や空の抜けを確認したり、
ご近所さんに挨拶をしたり、自己紹介をしたり、農作物の生育の話をしたり。。。
◇土地を読み解きながら、
母屋との関係、周辺や道路との関係を睨み、建物の座りが良い位置を決めたり。。。
◇図面の方位がいまいち信用できなかったので、方位を確認していました。
◇お茶を飲みながら、
「息子は尾谷さんにお任せするって言ってるのでお願いしますね」
っとお父様やお母様から言われるので、
「明るい家をお願いされたら、よし!暗い場所を作ろうとか。広い部屋をお願いされたら、よし狭い空間作ろうと考えてしまうんですよねー」
てな話をし、お土産にトマトを頂きました。
※K様
永らくお待たせしました。プラン着手です!!
来週、ふらふら土地を眺めに立ち寄るかと思います。。。(笑)
8月上旬に行われる稲刈りには間に合いませんが、もうしばらくお待ち下さいませ。
※ちなみに「幸手の家」は、下の「春日部の家Ⅱ」の方からの紹介です。
ありがたいです!