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20210
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春日部の家Ⅱ / 新築

設計趣旨
 設計をする際、規模の大小関係なく共通する事がある。それは美しい屋根を架けることだ。
遙か昔より日本の風土の中で、「均整のとれた美しい屋根」がある建物は歴史が証明している通り、人が安心し、暮らしを委ねられ、心地よい場となっている。

 子供の頃雷が鳴り響く豪雨の中、叩き付けるような雨と音と光で不安になりながらも深い軒先を借り、雨宿りをした際「自分はこの屋根に守られてるんだ」という安心感を覚えた。雨が降ってる中、子供をずぶ濡れにさせる親はいない。建物の産みの親である設計者や作り手は、大切な子供が長く健康でいられ、安心して身を委ねられる居場所を作る責任を負っている。

 この家は、田園風景が広がる先には遠く筑波山が望める150坪の敷地に建つ、二世帯住宅というプログラム。
風景を損なわない建物、親世帯と子世帯の距離感、敷地と庭と開口部のバランスを模索しながら最良の答えを探していた。当初は世帯ごとに領域を分けた細長いブロックを並列したりしていたが、方位に呼応させ、手前から「共有部分、親世帯、子世帯」の3つのブロックを連なるように配置した事で、プランの原型が生まれ設計の加速度が増していった。

難産だったが、ヴォリュームを3つのブロックに分け、3つの屋根がリズミカルに連なった事と、軒の深い単純な屋根が相まって、住まう人をおおらかに包み込み安心して身を委ねられる居場所になったと思う。

 新しい素材や設備に流されるのではなく、昔も今もそして未来になっても「不易」である美しい屋根をこれからも丁寧に設計し続けたいと思った。

(設計 海工作舎)
物件概要

項目

詳細

建物名 春日部の家Ⅱ
所在地 埼玉県春日部市
主要用途 専用住宅(二世帯住宅)
家族構成 母親+夫婦+子供
構造・規模 木造在来工法2階建
敷地面積 499.92㎡
建築面積 153.31㎡
延床面積 214.62㎡
1階 135.94㎡
2階 78.68㎡
軒高 6783mm
最高高さ 8551mm
敷地条件 市街化調整区域
道路幅員 東5.00m
図面
1 車庫 2 エントランスポーチ 3 バスコート 4 玄関 5 土間 6 居間、玄関 7 台所 8 寝室 9 WIC <br />10 共有物入 11 和室 12 納戸(食品庫) 13 予備室 14 小屋裏収納 15 ワークルーム 16 子供室 17 バルコニー
1 車庫 2 エントランスポーチ 3 バスコート 4 玄関 5 土間 6 居間、玄関 7 台所 8 寝室 9 WIC <br />10 共有物入 11 和室 12 納戸(食品庫) 13 予備室 14 小屋裏収納 15 ワークルーム 16 子供室 17 バルコニー
1 車庫 2 エントランスポーチ 3 バスコート 4 玄関 5 土間 6 居間、玄関 7 台所 8 寝室 9 WIC <br />10 共有物入 11 和室 12 納戸(食品庫) 13 予備室 14 小屋裏収納 15 ワークルーム 16 子供室 17 バルコニー
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1:外観 黒色の板張りは共有部分で、軒先の高さはGL+2200としている。
2:エントランスポーチ 左手には共有の土間、親世帯の玄関がある。
3:土間 土の付いた農作物を置ける土間はポーチだけでなく、親世帯の玄関からもアクセス出来る。
4:玄関(親) 高さを抑えた玄関の足元には、地窓からの柔らかな光が届く。
5:居間(親) 光を絞り、高さを低く抑えた玄関とは対照的な、おおらかな空間の居間。
6:台所(親) 左手には調理器具があり、右手にはシンクが組み込まれている2列型キッチン。
7:台所(親) カウンターの高さは1100mmとし、収納を兼用している。上部のガラスは納屋に眠っていたものを再利用している。
8:居間、食堂(親) 天井高さは4400㎜あり、上部に見える板張りは2階の寝室。
9:階段(親) 化粧階段の柱は杉の磨き丸太。
10:階段(親) 階段室の窓を開けると、一気に空間の風が流れ出す。
11:2階寝室(親) 障子を開け放つと、吹き抜け越しに1階の居間を眺められる。
12:洗面所(親) 台所、WICへと通じる洗面所により、ストレスの無い回遊性のある動線を確保している。
13:WIC(親) 寝室からWICそして共有物入を見る。奥の扉は子世帯の玄関に繋がる。
14:露地 エントランスポーチを抜けると子世帯の玄関。板塀で囲まれた空間は親世帯の水廻りでバスコート。
15:玄関(子) 木製玄関戸はタモ材で製作し、傷みやすい足元には銅板を巻いてある。
16:玄関(子) 高さと光を絞った玄関には、柔らかな光が吹き抜けから落ちてくる。正面は共有物入れ、右手の階段を上ると居間へ通じる。
17:玄関(子) 親世帯との適度な距離感を意識し、子世帯は半階上がった位置にある。
18:居間(子) 左の階段で玄関、手摺の埋め込まれた右の階段はワークルームに繋がる。
19:台所(子) 正面の扉は食品庫を兼用した納戸。
20:台所(子) 台所横には主婦コーナーがある。
21:納戸(子) さまざまな物を収納できるように、可動棚、パイプ等を設えてある。
22:居間(子) 居間から台所を見る。
23:和室(子) 真壁造でつくられ、サワラの空間は淡い光で包まれている。
24:和室(子) 吊押入れ下には通風を促す地窓が設けてある。
25:洗面所(子) 奥にはトイレがあり、収納を子の成長に合わせカスタマイズ出来るよう適所にスペースを設けてある。
26:ワークルーム(子) スキップしたワークルームから半階ずれた台所、バルコニーを見る。レベルで緩やかに領域を分けている。
27:ワークルーム(子) 2階から本棚、机を設えたワークルームを見下ろす。
28:子供室(子) 子の成長に対応できるよう2つの部屋をワンルームにしてある。
29:寝室(子) WICを通して子供室に繋がる。
30:バルコニー(子) 左はワークルーム、右手は子供室。
31:2階廊下(子) 遠く景色を望む。